みのり柿販売中止のおしらせ
アルプスの山々の冠雪
中川村は見事な冬景色です
毎年、みのり柿を楽しみにしている方にご報告です
タイトル、みのり農園のFacebook、Instagramで一報した通り
2024年のみのり柿の販売は中止になりました。
2016年に、埼玉県東松山市から
ご縁をいただき長野県上伊那郡中川村へ家族3人移住しました
その年の秋から、干し柿作りを教わり
卸しはじめました
そこから、個人的にも販売してほしいという声と
東松山のみなさんに販売したいですとお声がけを頂き
直接販売を開始しました
燻蒸処理をして干し柿を作るGI登録の市田柿を当初は作っていたのですが
昔の干し柿は燻蒸をしていなかったんだよ、昔の干し柿が食べたいなという声を聴き
わたしたちも、自宅で干した燻蒸していない柿が好きだったのもあり
半分燻蒸、半分無燻蒸という形でつくりはじめたのですが
無燻蒸柿を求める声が大きくなってきたことと
燻蒸作業の後、主人が呼吸困難になり夜眠れない日が続くこともあり
思い切って、無燻蒸の柿だけで販売をしていこうと決めました
みのり柿を求める方の口コミによって一気に評判を集め
全国各地からお求めいただき
毎年、たくさんの「ありがとう」をいただいてきました
みのり柿が、お手元に届くまでのたくさんたくさんの人の想い
実際に中川村まで来て収穫手伝ってくれた人
販売に尽力してくれた人
冬の寒い中、夏の暑い中での作業
収穫、皮むき、吊るし、ハザおろし、ホゾ切り、揉みこみ、寝かしこみ、パッキング、発送・・・
そのすべて、毎年毎年のドラマがよみがえります
そして2024年みのり柿
収量減からのスタート
皮剥き、吊るし作業真っただ中
11月2日異例の台風による、大雨(2024年みのり柿近況報告 | 伊那谷 小林みのり農園)
吊るしているハウス、床上浸水
その後の、気温の高さと湿度により
大量にカビ果発生、
高温により発酵した柿が、泡を吹きぼとぼと落下してしまう現象
こんなことは2016年から干し柿作りをはじめて、初めての事です
大量廃棄
残った柿を、なんとか仕上げようと
天日干し、もみこみ、寝かしこみ作業は続くのですが
そこから、ほのかにカビ臭
見た目にはわからないのですが
カビの影響をうけていたようです
カビの胞子は強いですね
粉を吹き始め、ふっくら雪うさぎのような柿を目の前に
販売中止を決定いたしました
みのり柿を楽しみにしているみなさま
みのり柿がここまでくるのに、尽力、応援してくださった方々
実ってくれた、柿のことを思うと
涙がポロポロ止まりません
わたしの周りで、同じように無燻蒸柿を作られていた方も同じような状況でした
燻蒸している農家さんも今年はカビが出たから追加燻蒸したけれど、同じように発酵果も発生
今年はカメムシの被害もあり春からずっと作物がとれない状況になっています
梨農家さん全滅
リンゴ農家さん例年の3割の収量
米農家さん収量減
長ネギ農家さんも、土の中で長ネギが腐っていて廃業するかも・・という話も聞きました
え?なんで、土の中なのに?と聞いたらやはり湿度が影響していることと
気温の高さで、土の虫が元気で作物を食い荒らしてしまうとのこと
干し柿は、作りづらくなっていることと、干し柿作りをしている農家さんの高齢化で
廃業しているところがたくさんあります
柿の木、梨の木、桃の木どんどん切られています
わたしたちは、なんとしても干し柿を作り続けたい
でも、来年も同じ状態だとほんとうに厳しい
心が、もたない
来年の柿を作るのに、今から作業はスタートします
作れないかもしれないものにむかうモチベーション、労力
想いだけでいけない現実、人生の時間は限られている中で何を選択するのか
子どもたちの未来に何が残せるのか?
夫婦で話し合いをした結果
5枚ある畑を2枚に減らして、来年のみのり柿に向けて動き出します
予約販売という形ではなく
仕上がったら、販売します
という形で続けようとおもいます
もしかして、もうできないかもしれないという想いと同時に
来年どうなっているかなんて、誰にもわからないじゃん!という楽観的な気持ち
2016年から9回目の干し柿作りに至るまでの物語
この農のある環境で、子育てができたこと
家族で力をあわせて、ひとつのものを作り上げてきたことはわたしたちの財産です。
もし、もう二度とみのり柿ができなくたって
変わらないもの
みなさんからいただいた絶大な愛♡
今回のことをきっかけに
人を想いあえる、豊かな国日本に生まれた感謝を改めて胸に
みのりはいのり
いのりはみのり
今からできることを、ひとつづつ楽しんでやっていきます
みのり柿はお届けできなかったですが
逞しく生きている小林みのり農園のエネルギーだけでも届きますように
目の前に、大地からの贈り物「たべもの」があるという奇跡に感謝いたします
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